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神のふたつの貌(かお):貫井徳郎
2008年 01月 25日 |
神のふたつの貌(かお):貫井徳郎_a0104226_113033100.jpg
—神の声が聞きたい。牧師の息子に生まれ、
一途に神の存在を求める少年・早乙女。
彼が歩む神へと到る道は、同時におのれの手を
血に染める殺人者への道だった。
三幕の殺人劇の結末で明かされる驚愕の真相とは?
巧緻な仕掛けを駆使し、“神の沈黙”という
壮大なテーマに挑んだ、21世紀の「罪と罰」。
(「BOOK」データベースより)

慟哭」ではあやしい新興宗教でしたが今回はキリスト教ですか〜。
あたしはキリスト教の牧師と神父の区別もつきませんが
それでも早乙女の陥った悩みに、一緒にどんどん話に引込まれ
答えをも求めるかの如く先へ先へと読み進める手が
早くなりました。

3部作として、早乙女輝の幼少期から大人となる姿を描いていきます。
無痛症の彼は痛みを感じることがない。
体の痛みがわからない彼は自分が心の痛み、人の痛みも
わからないのか或いは本当にその程度の出来事なのか
その判別がつかないまま成長していきます。
ただひたすら神の福音を聞きたいと願い、神の存在を
信じ祈り続ける。神とは何か、神が存在するのであれば
この世の不幸はないはず、神は人間を見捨てたのではないか、と。

貫井作品は他にも何作も読んでますがあえて「慟哭」を
比較として出したのは読んでいただければわかるはず。
あぁ、またやられたよ、って感じです。あたしはね。
一部〜三部まで、読んでから読み直してしまうことになるかと。

まぁね、キリスト教をこんな形で書くことは
もしかしたら人によっては反感を買うかもしれないけれど
そこは受け流して読んで欲しいなぁ。(っても無理かな)
宗教に興味のない人にこそ読んでほしい、けれど。。。余計に
そーいう目で見ちゃうかもね(苦笑)
別に宗教者すべてが人格者ってわけじゃあなくて
どんな世界にも、間違った行動を正しいと信じる人はいるわけよね。
って程度で。
というか、一般的な(誤認であっても)認識として
犯罪を犯すまでの過程としてやっぱり
教会の息子、無痛症という設定はネタとして、はずせない。
ミステリーとして完成度はかなり高く仕上がっている分
宗教がテーマであっても人に勧めたくなる一冊。
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