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冬のオペラ:北村薫
2008年 02月 22日 |
冬のオペラ:北村薫_a0104226_224844.jpg
勤め先の二階にある「名探偵・巫弓彦」の事務所。
わたし、姫宮あゆみが見かける巫は、ビア・ガーデンの
ボーイをしながら、コンビニエンス・ストアで働き、
新聞配達をしていた。名探偵といえども
事件がないときには働かなければ、食べていけないらしい。
そんな彼の記録者に志願したわたしだったが…。
真実が見えてしまう名探偵・巫弓彦と
記録者であるわたしが出逢う哀しい三つの事件。
内容(「BOOK」データベースより)

んー。円紫師匠と私シリーズの後に読んだせいか
こちらは「悪意」がある事件ばかりでちょっと違和感が。
殺人事件まであったりするし。
それも「殺人に至るまでがわかってしまう」ほど哀しい事件だし。
初めはコメディかと思ったんですよね。アルバイトする探偵なんて。
それもいい年した大人が。職業として「名探偵」。
痛い人?変な人?みたいに。
ところが、これが変な人なんかではなくて。
巫弓彦曰く、「名探偵はなるものではない、存在であり、意志である」
自分がその存在だと気づいてしまったから、名探偵であるという。。。
そしてその解決方法、「科学的知識は調べればよいだけ、問題は発想」
まさしく、と膝を打ちたくなるほどの名探偵ぶり。

にしてもなぁ。。。。やっぱ実際にいたら痛い人だと思うのですが、と
考えてしまうほどリアリティあるってことでしょうかね。

短編2話と中編1話。悪意が存在した上での事件だけに
とくにタイトル作の「冬のオペラ」は哀しいです。

んー、なんだろう、この窒息感。
決して読後感が悪いわけではないんですけどね。
主人公たちの禁欲的な空気とその周りの登場人物達の
俗物的な空気の温度差でしょうかね?
このとことん、やなヤツ〜って人たち(苦笑)きつすぎです。
北村作品って「優しい」と思っていたけれどこれは辛辣なほど
救いない人たちばかり。
って、そいえば他の作品でもそーいう人たち出てましたね。
「空飛ぶ馬」の「砂糖戦争」に出てくる3人の魔女だったり
「ターン」に出てくるもぅ一人のくるりんしちゃう人物だったり。。。
まぁだからこそ主人公たちの清さが際立つのかも。
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