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日輪の遺産:浅田次郎
2008年 07月 11日 |
日輪の遺産:浅田次郎_a0104226_1645772.jpg
帝国陸軍がマッカーサーより奪い、終戦直前に
隠したという時価200兆円の財宝。
老人が遺(のこ)した手帳に隠された驚くべき真実が
50年たった今、明らかにされようとしている。
財宝に関わり生きて死んでいった人々の姿に涙する感動の力作。
ベストセラー『蒼穹の昴』の原点、幻の近代史ミステリー待望の文庫化。
(出版社/著者からの内容紹介より)

この本の単行本化のときには「消えたマッカーサーの財宝」と
副題がついてるように、過去と現代と視点を
行き来させながら戦争の悲惨さ、悲しさ、ばからしさも
浮き彫りにしていく。

作者のあとがきを読むとちょうど「きんぴか」や「プリズンホテル」を
発表し、ユーモアピカレスク小説作家、極道作家としての
レッテルを貼られ軌道修正をはかるべく書き上げたとあり
この一冊から、この先の「地下鉄(メトロ)に乗って」や
「蒼穹の昴」といった「軌道」も加わった分岐点的作品。
たしかに、この作品の中ではまだ
「きんぴか」にあるようなユーモアの匂いもちらり
残ってしまってはいるけれどそれはもぅ浅田作品の味と
なってるような気が。
「蒼穹の昴」ですら、くすりと笑わせる箇所があるように。
ただ絶対的に軌道が違う、匂いが違う、そいういう意味で
この「軌道修正」いや「あらたな軌道」は成功していると思うし
あたしはこの、新たな軌道の方が好きです。

「壬生義士伝」でも感じさせた、事実ではないけれど
本当はこぅだったのかもしれないと思わせるこの作者の力量
やっぱりすごいと思います。
作者自身ではこの本は「若書き」と色々と辛辣な
評価を下してはいるけれどあえてそのままという部分を
かなり買いたい。

財宝の行方を追うミステリーとしても読めますが
やっぱりこの本の醍醐味は人間ドラマとしてではないかと。
終戦直後の少女達の話はもぅ涙ぼろぼろでした。
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