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続巷説百物語:京極夏彦
2008年 08月 17日 |
続巷説百物語:京極夏彦_a0104226_6464675.jpg
無類の不思議話好きの山岡百介は、殺しても殺しても
生き返るという極悪人の噂を聞く。その男は
斬首される度に蘇り、今、三度目のお仕置きを受けたというのだ。
ふとした好奇心から、男の生首が晒されている刑場へ
出かけた百介は、山猫廻しのおぎんと出会う。
おぎんは、生首を見つめ、「まだ生きるつもりかえ」とつぶやくのだが…。
狐者異、野鉄砲、飛縁魔—闇にびっしり蔓延る愚かで哀しい
人間の悪業は、奴らの妖怪からくりで裁くほかない—。
小悪党・御行の又市一味の仕掛けがますます冴え渡る
奇想と哀切のあやかし絵巻、第二弾。
(「BOOK」データベースより)

舞台は、江戸時代末期。晴らせぬ恨み
あちら立てればこちらの立たぬ困難な問題を金で請け負い
妖怪になぞらえて解決する小悪党たちの活躍を描く。
同じ作者の「京極堂」シリーズが
妖怪の仕業に見える不思議な事件を科学的・論理的に
解明して解決するのに対し、本シリーズは逆に
人の心の綾を妖怪の仕業に仕立てることで解決するところに特徴があるといえる。
(wikipediaより)


今回も読ませてくれたなぁと。
特に今回は百介の心情を読み手側とより
近い位置に置くことで
闇の住人達と自分の安定した昼の世界との
狭間にいることのなんとも言えない中途半端さ
昼の世界に物足りなさを感じながらも
そちら側へは行けない、という百介の感覚とリンクし
「別世界の人たちだ」と感じることにより「その世界」に
さらに入り込んでいる、という。。。
それゆえにこの「続」の読後感は寂しかった〜。

前回が一話ごとにその仕掛けにほぅ〜と「読み終える」のに
比べて今回は、以前の話が巧みに絡んで来たり
さらに登場人物たち、おぎんの過去なども
どんどん解明されてきたり、さらに話に深みが増し
仕掛けもどんどん大掛かに。
とても読み応えあります。

風景描写の見事さゆえに読んでいてまるで映像を
見ているかのようで、なかなか読んでいる途中に
こっちの世界に帰ってくるのが大変。
それくらい入り込める本だからこそラストは心にくる。
はぁ。。。寂しいなぁ。
一応、まだ「これよりも前」と「これよりずっと後」が続きますが。
もっと前作のような、ちっちゃい仕掛けで連続短編として
長くおつきあいしたかった〜。

すっかり京極夏彦の造り出す世界にやられてますな。

あ、個人的にアニメキャラは好みではなかったのでそちらは
ノータッチ。
wowowでドラマもやってたんだねぇ〜。
渡部篤郎、小池栄子、大杉漣、吹越満。ほぅ〜。
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