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魍魎の匣:京極夏彦
2008年 09月 07日 |
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匣の中には綺麗な娘がぴったり入ってゐた。箱を祀る奇妙な霊能者。
箱詰めにされた少女達の四肢。そして巨大な箱型の建物—箱を巡る虚妄が美少女転落事件とバラバラ殺人を結ぶ。探偵・榎木津、文士・関口、刑事・木場らがみな事件に関わり京極堂の元へ。果たして憑物は落とせるのか!?
日本推理作家協会賞に輝いた超絶ミステリ、妖怪シリーズ第2弾。
(「BOOK」データベースより)

「箱の中にぴったりと入っている綺麗な娘は、
にっこりと笑うと鈴を転がすような声で「ほう」と言った。」と
奇妙な「物語」から始まる今回の話。

すごい。
いや、厚さ(サイコロ本ですってよ)もすごいけれど
この話の骨組みの緻密さ、情景/心理描写、
事件の猟奇さ、どれを取ってもすごい。

だって「箱にぴったり」ですよ。
想像できます?

もちろん話そのものもとてもよく出来ていて
そう繋がって行くんだ!とかラストを読んでからさらに
そこへ行くのか!というミステリとしての一種の感動もあるけれど
シリーズの醍醐味ともいえる京極堂の
ウンチク、前回よりもぐっときましたね〜。

ちょっと自分のメモ書きとして京極堂の蘊蓄を。

自分を事件というものから切り離したい、あれは
こーいう特殊ななにがしかがあったから起こったものであり
自分には無関係だ、という犯罪者との位置関係の蘊蓄。

「そう、動機とは世間を納得させるためにあるだけの
ものに過ぎない。犯罪など、こと殺人などは遍く痙攣的なものなんだ。
真実しやかにありがちな動機を並べ立てて
したり顔で犯罪に解説を加えるような行為は愚かなことだ。
(中略)そんなものは幻想に過ぎない。世間の人間は
犯罪者は特殊な環境の中でこそ、特殊な精神状態でこそ
その非道な行いをなし得たのだと、何としても思いたいのだ。」


そして宗教者・霊能者・占い師・超能力者の解説はとても
興味深かったです。
これについてはこちらのサイトさんで詳しく、抜粋してくれています。
超能力は脱オカルト、占いは準オカルト、霊能は真オカルト、
宗教は超オカルト、ふーっむ。
オカルトとは本来「隠された」という意味だよ。(中略)当初はオカルトサイエンスと呼ばれた。日本人はサイエンスとつくとすぐに科学と訳す癖がある。
そこで自然科学に対抗した怪しい科学と勘違いしてしまう。
たとえばサイキックサイエンスと来ると心霊科学と訳す。間抜けだね。
サイエンスは元来知識という意味だから、オカルトサイエンスは隠された知識、サイキックサイエンスは霊的な知識と訳すべきだ。科学は関係ない。


こんな蘊蓄の宝庫。
おもしろいでしょ?
ってこんな蘊蓄があってこそ本来の「事件」がより一層
深く味わえる。ぜひ読み飛ばさずにじっくり読んで欲しいです。
「魍魎」に関する蘊蓄もね。

そうそう、読後、「みっしり」という言葉がずっと残りますよ。
あの不気味で妖しい世界。ぜひ味わってください。
分厚いからと逃げずに(苦笑)
(確かに手はやられる。。。)
前作よりもずっと読みやすく、好きな作品ですが
読むのなら「姑獲鳥の夏」からどうぞ。
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