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破裂:久坂部 羊
2008年 12月 09日 |
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医者の診断ミスで妻を傷つけられた元新聞記者の松野は“医療過誤”をテーマにしたノンフィクション執筆を思いつく。大学病院の医局に勤務する若き麻酔科医・江崎の協力を得て医師たちの過去の失敗“痛恨の症例”や被害患者の取材を開始した。その過程で、「父は手術の失敗で死んだのではないか」と疑念を抱く美貌の人妻・枝利子が、医学部のエリート助教授・香村を相手に裁判を起こす。が、病院内外の圧力により裁判は難航。その裏で医療を国で統制しようと目論む“厚生労働省のマキャベリ”佐久間が香村に接触を始める…。
枝利子の裁判の行方は?権力に翻弄される江崎と松野の運命は?
そして佐久間の企図する「プロジェクト天寿」とは?
大学病院の実態を克明に描き、来る日本老人社会の究極の解決法まで提示する、医療ミステリーの傑作。
(「BOOK」データベースより)

「廃用身」を読んでこの作家さんに興味をもったので
次も読んでみました。
ハードカバーで2段組、450ページ(苦笑)
でも帯の「医者は三人殺して初めて一人前になる」に
やられました。インパクト強い。
内容はそれ以上。
ぴんぴん生きてぽっくり逝く、誰もが理想とする死が
実は医療によって作られたものであったら。
そして医療現場の裏に隠された色々な事故。
医者にかかることがちょっと恐くなってしまうような
話とけれどそれを仕方ないとする現実。
そんな面も含めて、増え続ける人口、老人医療の問題
すべていまそこにある問題ばかりなのに
目をそむけている部分にまさしくメスをいれた作品。
ただたくさんの問題がありすぎて
的が絞りきれずぼやけた印象もありますが
それ以上にぐいぐいとひっぱる力もある内容。

「廃用身」もそうでしたが、当事者にしてみれば
「人に迷惑をかけたくない」という思いが
自分の半身を切り取らせ、またこの本では
ぽっくりと死にたがる、そこは十分理解はできること。
けれど本来、医療とは人を「生かし」「治す」べき立場。
その立場である医療が、治さず切り捨て
また、老人の命を奪う、決して
相容れない二つの要素が重なることこそ
この2冊の不気味さ、グロテスクさがあるのでは。

決して、答えのでないことにもっと光を当て
もっと考えなければいけないのだろうけれど。。。
なんとも読後、深く考えてしまってざらりとした印象が残る本。
ショッキングですが読んで損はなかったと思う一冊。
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