塩狩峠:三浦綾子
2009年 03月 18日
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結納のため札幌に向った鉄道職員永野信夫の乗った列車が、塩狩峠の頂上にさしかかった時、突然客車が離れ、暴走し始めた。声もなく恐怖に怯える乗客。信夫は飛びつくようにハンドブレーキに手をかけた…。
明治末年、北海道旭川の塩狩峠で、自らの命を犠牲にして大勢の乗客の命を救った一青年の、愛と信仰に貫かれた生涯を描き、人間存在の意味を問う長編小説。
(「BOOK」データベースより)
いやぁあたしキリスト教徒じゃないし?
なんて、冷静になんて読んでられないくらい号泣。
泣けた〜。
涙が止まらなかった。
なんて美しく悲しく尊い物語なんだろうと思ったら
実際にそういった行動をとった人がいたんですね。
あとがき読んでびっくりです。
もちろん、その生い立ちやそこに至る思考等は
作者の物語ではありますが
周囲の人たちの彼を評する言葉からみると
本当に立派な方だったようです。
でもなぁ。。。あたしは自分の息子が本当に
こんな死を迎えたら、彼の母親のように受け止められるのかなぁ。
やっぱりあたしにはそーいう信仰心はナイらしい。
親より先に逝ってはいけません。
なんて思いながらも、感動的な作品。
ただ連載されたのはキリスト教徒向けの冊子で
キリスト教徒がキリスト教徒の為に書かれた物語であるだけに
聖書の中の言葉や、作者の宗教観があちこちに散見されるため
違和感を覚える人も中にはいるかもしれませんが
若いうちに一度は読んでおいて損はない一冊。
どう感じるか、それが肯定であろうが否定であろうが
考えるに値するテーマかと。
by acha-books
| 2009-03-18 21:06
| ま行作家 その他
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