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2008年 12月 30日 |
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ドレミ…の音が聞こえない?巨乳で童顔、憧れの先輩であるエリちゃんの前でクラリネットが壊れた直後から、僕の耳はおかしくなった。しかも怪事件に巻き込まれ…。僕とエリちゃんの恋、そして事件の行方は?『イニシエーション・ラブ』『リピート』で大ブレイクの著者が贈る、待望の書下し作が登場。
(「BOOK」データベースより)

本を開いて読み始めて。。。あれ?と思う。
裏に書いてある紹介と本の内容が全然違うじゃん?
なに?なんだ、これ。え?と思ったら
なんと最初は「マリオネット症候群」
まったく別の中編。
その後に「クラリネット症候群」
こちらも中編、書き下ろし。
別に連作でもなんでもなくまったく別の話が
2作はいってるといった具合。

これが両方ともとても良質な中編で
読みやすくて、さらっと中に入れちゃうし
もぅ先が気になってしょうがない。
2作ともそんなパワーを感じる良作。

マリオネット症候群はその名の通り
自分が自分の身体の中でまるでマリオネットのように
他人に自由に動かされ、自分は何もすることが
できなければ、声も発することもできず、操ってる相手と
会話を交わすことすらできない。
いったい誰が自分の身体を動かしてるかと思いきや
主人公、御子柴里美が憧れていた
サッカー部のキャプテン、森川先輩。
けれど先輩はその前夜、誰かに毒殺されていた。
先輩の魂があたしの中に入ってあたしとして生きている。
昨日、バレンタインのチョコをあげたばかりの相手が。。。
犯人は誰?主人公はもとに戻れる?
なぁんてフツーの?をすべて裏切る面白さ!

クラリネット症候群は、あの有名な歌、
ドとレとミの音がでなーい♪のように
ドレミファソラシドの音が聞こえなくなってしまった主人公の話。
もぅこれまた面白い!
文章にあちこち「穴」が〜っ。読者はすべてその音を
想像しながら読まなければいけません(笑)
「 う像 ながら読まなけ ばいけません」てな具合。
育ての親のような存在の「関さん」が大事にしている
商売道具のクラリネットの「クララ」を
壊されてしまってから、そんな症候群になった
主人公、犬育翔太。
まずクララをどうしよう?さらに、そこに関さんが
暴力団に拉致、監禁されてしまって。。。

登場人物たちがみんないいんです。
アパートの住人たちも面白すぎ。

かるーく読むのに最適なこの2編。
おすすめです。
2008年 12月 28日 |
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四つの高校が居並ぶ、東北のある町で奇妙な噂が広がった。「地歴研」のメンバーは、その出所を追跡調査する。やがて噂どおり、一人の女生徒が姿を消した。町なかでは金平糖のおまじないが流行り、生徒たちは新たな噂に身を震わせていた…。何かが起きていた。退屈な日常、管理された学校、眠った町。全てを裁こうとする超越的な力が、いま最後の噂を発信した!新鋭の学園モダンホラー。
(「BOOK」データベースより)

恩田陸の不思議=静かな気味の悪さいっぱいの
学園モノ。ホラーやミステリというよりもファンタジーなのかな。
確かに、「噂」の発生する理由として
退屈な毎日からの逃避、刺激を求めて、ということなのだと思うし
その年代ならではの退屈さというのも十分ここまでは理解できる。
そして、その噂の発生元を確かめる、という少年、少女達の
動きも面白い。
けれどそれだけに留まらない。
気を抜くともぅついていけない「あちら」側に
話だけが「飛んで」しまって置いて行かれた気分。

東北のある田舎町に重なるようにして存在する「あちら」。
そこは行ける人と行けない人がいる。
必要としていない人もいればそこに安らぎを感じる人もいる。
あちら側へ行くことが進んでいることなのか。
はたまた。。。

と、読後感も消化不良気味。。。

ただ多感な時期の登場人物たちの思考回路を
なぞるのは十分に面白いし、ぐいぐい読み進められる力も
あります。
特に、そういった地域で育った人にはかなり
感じるところがあるかもしれません。
同調する気持ち良さもその中にはあるとは思います。

けれどこの最後に放り投げだされたような感覚。
これが気持ちよいと感じるか不満と感じるかは
かなり人によって別れるところとなりそうです。
2008年 12月 09日 |
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医者の診断ミスで妻を傷つけられた元新聞記者の松野は“医療過誤”をテーマにしたノンフィクション執筆を思いつく。大学病院の医局に勤務する若き麻酔科医・江崎の協力を得て医師たちの過去の失敗“痛恨の症例”や被害患者の取材を開始した。その過程で、「父は手術の失敗で死んだのではないか」と疑念を抱く美貌の人妻・枝利子が、医学部のエリート助教授・香村を相手に裁判を起こす。が、病院内外の圧力により裁判は難航。その裏で医療を国で統制しようと目論む“厚生労働省のマキャベリ”佐久間が香村に接触を始める…。
枝利子の裁判の行方は?権力に翻弄される江崎と松野の運命は?
そして佐久間の企図する「プロジェクト天寿」とは?
大学病院の実態を克明に描き、来る日本老人社会の究極の解決法まで提示する、医療ミステリーの傑作。
(「BOOK」データベースより)

「廃用身」を読んでこの作家さんに興味をもったので
次も読んでみました。
ハードカバーで2段組、450ページ(苦笑)
でも帯の「医者は三人殺して初めて一人前になる」に
やられました。インパクト強い。
内容はそれ以上。
ぴんぴん生きてぽっくり逝く、誰もが理想とする死が
実は医療によって作られたものであったら。
そして医療現場の裏に隠された色々な事故。
医者にかかることがちょっと恐くなってしまうような
話とけれどそれを仕方ないとする現実。
そんな面も含めて、増え続ける人口、老人医療の問題
すべていまそこにある問題ばかりなのに
目をそむけている部分にまさしくメスをいれた作品。
ただたくさんの問題がありすぎて
的が絞りきれずぼやけた印象もありますが
それ以上にぐいぐいとひっぱる力もある内容。

「廃用身」もそうでしたが、当事者にしてみれば
「人に迷惑をかけたくない」という思いが
自分の半身を切り取らせ、またこの本では
ぽっくりと死にたがる、そこは十分理解はできること。
けれど本来、医療とは人を「生かし」「治す」べき立場。
その立場である医療が、治さず切り捨て
また、老人の命を奪う、決して
相容れない二つの要素が重なることこそ
この2冊の不気味さ、グロテスクさがあるのでは。

決して、答えのでないことにもっと光を当て
もっと考えなければいけないのだろうけれど。。。
なんとも読後、深く考えてしまってざらりとした印象が残る本。
ショッキングですが読んで損はなかったと思う一冊。
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